世話焼き長屋,浮かれ節
吉岡です。こんにちは。
池波正太郎の食に関する書き物が好きで,その関連でちょっと前に短編集「まんぷく長屋」を読んでいたのもあり,浴槽で読む本を数点,近くの本屋で買ってきておいたのですが,昨日読んでいたのが,時代小説の短編集,世話焼き長屋でした。
貧乏御家人が都都逸勝負を繰り広げる「浮かれ節」という作品。宇江佐真理さんの作品ですが,都都逸のテンポや情感に引き込まれついつい長風呂をしてしまい,私が一向に風呂から上がってこないので風呂に浮かんでいないかと家族に心配させてしまいました。(沈んでないかと心配されないのが辛い)
その浮かれ節がとても素敵な作品だったので,こんど本屋で宇江佐真理さんの小説を買ってみようと思い,どんな方なのか検索していたのですが,今日のニュースで昨日お亡くなりになっていたとのこと。「うかれ節」のなかの父と娘がふれあう場面は登場する子供の名前がうちの娘と一緒だったこともあり,読後は清涼感だけでなく可憐しさも残る作品でした。せっかく素晴らしい作者に出会うことができたところ,残念でなりません。宇江佐真理さんのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。