離婚と予防法務
2012.09.01 |
吉岡です。
近時,予防法務という言葉を耳にすることが増えた気がします。
字のごとく紛争が起こらないよう未然に防止する法律業務ことですが,
私がこの地で業務を行っている中で,この予防法務の必要性を特に痛感する
紛争が子供の親権を争う離婚事件です。
どちらの親が子供を引き取るか,
財産分与のように半分に分けるというものではありませんから,
養育環境の主張,家裁調査官による調査などを経て,
どちらかの手に引き取られることになります。
もちろん,両親の離婚その一事だけでこどもが幸せになれないということはないですし,
現に幸せに育っている子供はたくさんいます。これという正解があるわけではありません。
ただ,子供が親に向ける不安そうな顔を見ると,両親が離婚を決断するまでに,
弁護士として助力できなかったものかとやりきれなくなることがあります。
法律を駆使して紛争を予防するといった本来的な予防法務とは異なるかもしれませんが,
特に小さなお子さんがおられるご夫婦が離婚の決断に至らないようなお手伝いが
できないものかと,最近考えることが多くなりました。