家族信託のお話
2019.08.05 |
吉岡です。こんにちは。
この間地上波でも放映された家族信託が耳目を集めています。近日中に家族信託の特集がまた放映されるとか。
当事務所でも,このところ家族信託を設定したいとのご相談が集まっています。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)にり患されたの方の遺言代用信託や認知症対策として賃貸不動産を中心に信託にまわすケースなどを取り扱っております。交通事故で相当額の賠償金を取得する際にその賠償金を将来に備え子どものために信託するケースも現在検討中です。財産管理委任契約+任意後見契約でも進められそうですが,子の亡き後について財産の承継を視野に入れた方がよさそうなため後継ぎ遺贈型受益者連続信託(信託法91条)を検討しています。
家族信託を取り扱っていて難しいと思うのは,やはり受託者の設定です。
当職らは事案に即した信託内容を立案することに集中して取り組みますが,信託の内容や目的をご理解いただきかつ委託者(ご依頼者)の信頼の厚い親族の方などを探すことは容易ではありません。いらしても遠方にお住いのこともあります。ご家族へのご説明の際にもご家族内の利害調整も必要であり慎重に設定する必要があります。
受託者候補者の方が就任をいやがる,利害調整が極めて困難,受託者として相応しくない可能性が高いなど,家族信託で受託者を設定することが難しい場合は,商事信託(信託銀行など)を利用することも視野に入れる必要があります。なお,現時点では,弁護士(弁護士法人含む。)や他士業の方は信託業法の規定から受託者にはなれないとの考えが一般的です。