H25年度高次脳機能障害研修会@広島市

吉岡です。こんにちは。

 

土曜日は,広島市にて広島県リハビリテーション講習会実行委員会さま主催,NPO法人高次脳機能障害サポートネットひろしまさま協力の高次脳機能障害研修会へ。

日頃からお世話になっている行政書士の桑原陽子先生のご紹介でこの研修会の存在を知り,現在係属中の高次脳機能障害の案件への理解を深めようと思い参加させていただきました。講演や対談はもちろんのこと,広島でご活躍の行政書士の先生や社会保険労務士の先生ともお話させていただくことができ,大変貴重な機会でした。

 

講演は,イラストレーター柴本礼先生による「高次脳機能障害の夫とともに」~本を出して見えてきたこと~

ご主人がくも膜下出血から高次脳機能障害になられ,ご本人の様子やご家族のサポート,辛かったことや喜びを感じられたこと,行政などへの要望などをご自身の体験からお話しいただきました。これまで約9年間,大変なご経験をされながらご主人をサポートされ続けてこられたのは家族愛や助け合いの精神,そしてそれらを裏付けとしたユーモアの心が大切であることがひしひしと伝わってきました。それだけに,サポートするご家族が亡くなった後のご本人のサポートは社会一般の高次脳機能障害への理解の浸透(症状への理解と助け合いのこころ)無くしては難しい問題です。

副題にもなっていますが,柴本先生はご主人が高次脳機能障害になられてからの日々の出来事を分かりやすいコミックにされ,「日々コウジ中」と「続・日々コウジ中」の2冊を出版されています(柴本礼先生のブログはこちら)。高次脳機能障害のイメージは一般的には分かりづらいと思いますが,この2冊には日々のご本人の様子や官公庁,保険会社とのやり取り,家族会や医療関係者との触れ合いなど一つ一つイラスト入りで書かれており,一般の方も確実に理解が深まります。

(サインをいただきました。「つながろう!」「ユーモアを大切に!」感じ入るお言葉です。)

 

講演の後は,広島県健康福祉局の方による広島県における高次脳機能障害対策の現状報告を経て,交通事故によりご主人が高次脳機能障害になられたサポートネットひろしまスタッフの方と柴本先生との対談でした。高次脳機能障害となった原因に違いはあれ,やはりお二人とも最愛のご主人が高次脳機能障害になられても家族の仲の良さで支えあっておられることがつたわりました。また,働き世代の高次脳機能障害の方の就労の大切さや,就業の際のトレーニング方法として試行錯誤(トライアンドエラー)ではなく,エラーレストレーニングによることなど障害の内容に応じた就業サポートがなされていることなども紹介されました。

 

柴本礼先生のお話によると,日本には約50万人の高次脳機能障害の方がおられ,そのうち約20万人は自身が高次脳機能障害であることを分かっており,残りの30万人は自身が高次脳機能障害であることを分かっておられないとのことです。これまでは,弁護士として交通事故に基づく損害賠償というごく限られた関与でしかありませんでしたが,この講演を機会により広い視点で高次脳機能障害案件へ関与できるようになれればと思います。

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